良さというのは単純な様でいて、難しい概念だ。
普段、良いものを表現するには、どういった言葉を使うだろう。
強い、美しい、良い。というのが多くの場合において、共通する概念である。
つまり、強いものは良い。美しいものは良い。と、大抵はいえる。
しかし、美しさには脆さがつきものだと思う。
もし与えられるものが同じなら、あるものは美しさを持ち、なぜあるものは持たないのか。
美しさのトレードオフがあるとすれば何か。
それが脆さである。
脆さというのは、壊れる可能性が極限まで高いということだ。
しかし、壊れていない。
壊れていないのに、壊れる可能性を極限まで高めるというのはどういうことか?
ピアノの美しい曲を聴くとき、ハラハラするようなことがある。
例えば、ここで一音となりの音を叩いてしまえば台なしということは往々にしてある。
もし世界一高い山をつくろうと思ったら、一つ一つの砂粒を垂直に並べればいい。
しかしそれはかなり脆い。
つまり、「何も捨てずに」美しさを得ようとすれば、脆くなる。美しくて脆いというのは、まあまあ成功といったをなくし、大成功か、大失敗か。という綱渡りをすることである。