fastapple's blog

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【書評】『SOFT SKILLS』をよんで


この本、higepon(敬称略)がブログのエントリで勧めていたので、前々から読んでみたかったのだが、結局なかなか読んでいなかった。で、2年越しくらいにようやく読んだ。
d.hatena.ne.jp

450ページくらいの分量で、ほぼ一日で読むことができた。自分の場合、一日12時間くらい時間をさければ、500ページくらいは読むことができるという感覚を掴んできた。こういう感覚があると、本のページ数を見たときに、「ああ、このくらいの量ならこのくらいの時間で読めるな」ということが分かるようになるので地味に便利だ。(まあもちろん、技術書などリファレンス的要素が強いものはそんなスピードで読むことはできないが)

さて、この本に書いて有ることは、全部真に受けてはいけないというような感覚があったし、知っていることが多数書いてあるような感覚もあった。それでもこの本から得られることとしては、この本の著者は早くから社会的にみて成功しており、(悠々自適かどうかは知らないが)サラリーマン生活から開放され、引退生活を送っているということだ。そしてそのために、不動産投資などもしたし、著者は基本的にハードワークを厭わなかったということがかかれている。そして、成功するためにはそういったハードワークの必要性が書かれているし、意志の力を妨げないためのテクニック(ポモドーロ・テクニックなど)が色々紹介されている。

それでもこの本の見どころは、せいぜいポモドーロ・テクニックに集約されてしまっているような気がしてならない。

つまり、この本を人に薦められるかどうかというとちょっと悩ましい。多分、この本を読めばいくつかの新規の事柄を知ることができるだろうが、それが他のことを差し置いてすべきかどうかというのはわからない。

読んで毒になるような本ではないが、何かを読んで納得するためにある種の「理論」を必要とする自分のような人間には向きにくいのかもしれない。
この本は(有り体に言えば)とにかく実行あるのみ!というマッチョな本である。ついでに体もマッチョになる方法が書いてあったりする。

本書の中で、「ひとを動かす」という本の良さに何度も言及している。ならば、その本を読むというのはいいことには間違いなさそうだ。成功者が影響を受けた本のリストは驚くほど似通っているという著者の指摘は納得出来る部分もある。(だから、ぶっちゃけそっちを先に読むべきかもしれない)

モチベーションを上げるために読むというのはありなのかもしれない。

ただ、本当に人より一歩先んじるには、「何を読むか」ではなく「何を読まないか」が大事になってくると思う。いわゆる、YAGNIの原則である。

それに照らし合わせたとき、この本をよむ時間があるのかどうか、正直にいって、少し判らない部分がある。

ただ、本の中に散りばめられた小噺の中には、結構興味深いものも多い。