fastapple's blog

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完全なるチェックメイト レビュー


さて、先日公開された完全なるチェックメイトを、見に行ったので感想をここに記す。当然ネタバレを含むので、一応、ここから先は続きを読むをクリックするとみえるようにしておきます。


完全なるチェックメイト、原題は「Pawn Sacriface」である。直訳すると捨てポーン。将棋なら捨て歩である。捨て歩…。英語だとやたらとかっこいい響きである。このタイトルの和訳は、まあちょっとかっこつけすぎでくさいという意見もあるかもしれないが、個人的には割りといいんでないかと思う。まあ、ポーンサクリファイスでもいいかもしれないが、いや、なんでも原題をカタカナにすればいいってもんでもないんじゃないか。

正直フィッシャーに対する予備知識はあまりなかったので、わりと楽しめたが、何度もみたくなるようなものでもなかった。ロシア側のスパスキーとの対戦の第6局をクライマックスにもっていった時の、なんだかあんまり盛り上がらない感。第6局がすごかったのなら、もう棋譜に踏み込むくらいでもよかったんじゃないのか。そのあとのドキュメンタリー調の解説もちょっとくどい。てっきり再戦の時の会話なんかをこう、クライマックスに持ってきていい感じに終わるかと思ったけど、再戦の描写はなかった。残念。フィッシャーは日本やフィリピンで過ごした期間が割とあるようだけど、そういった描写も(最後の文章だけのところにも)なかった。

本当はもっと波乱万丈なような気がするんだけど、天才性と異常性を結びつけるだけで、天才の人間性のような部分への踏み込みが今一歩だったような気がする。

で、多分。完全なるチェスという本がでているのだが、これ、アマゾンで高評価なので、多分こっちのほうがおすすめなんじゃないかと思う。だが、映画を先に見ると、なんだか本を読む気力も…。ただ、興味はあるので気力ができたら読むかも。

(追記)
わりと辛めのレビューになったが、映画をみてよかったことは、フィッシャーのような一見問題があるタイプでも、実は主張に一貫性があるなら、人に良い影響を与えるんじゃないかと思ったことだ。目標に向かう道は険しくても、向かって行くなら、誰も止められない。もっとがむしゃらに頑張ってもいいかも。映画の背景というか、バックグラウンドは暗い感じではあったものの、そう思わせてくれたような気がする。