象牙の塔への憧れ
象牙の塔とは、学者や芸術家などが現実とかけ離れた場所で勝手にやっているのを批判的に表現したコトバらしい。最初この言葉を聞いた時に、すごくいいなと思った。一人旅に憧れる気持ちに似ていると思うが、俗世間の事なんてお構いなしで勝手にやっているというのにすごく憧れた。
論語に、思いて学ばざれば則ちあやうしというのがあって、それの引き合いに出されるのが、どこで見たか忘れたが、中国で独学で数学を学んだ人のハナシだ。その人は独学で数学を勉強し、ついにはすごい発見を成し遂げて、周りの人に話したところ、それはただの因数分解だった。というものだ。
これは、独学を戒める例なわけだが、もし本当にそんなことがあったとすると、すごいことだと思う。
そもそも因数分解ができても、因数分解が何たるかは分かっていないケースというのは多い訳で、そういうことを自分の頭で考えることが、いい体験だと思う。問題の難度より、そのほうが大事だ。
今は、学べる機会というのはたくさんあるわけで、学ぶ機会を毛嫌いしないことも、もちろん重要だと思うが、自分でいろいろ考える、そういうのは貴重な体験だなと思った。