fastapple's blog

時系列関係なく、情報を追記・分割・統合などします。ブログに記載の内容のうち、引用ではなく、私自身が記載している文章・コードなどについては、自由にご利用ください。

捕獲システム


人間には捕獲システムとでもいうべきものが備わっていると思う。

例えば、何かを買いたいと思ったときに、それを買うように行動が始まる。買いたいと思った時から急にその対象に対しての情報を収集するようになると思う。
別の例だと、例えばトイレに行きたくなったとする。そうすると、今まで見えてこなかった近くにあるトイレの看板などが目に入ってくるようになる。

このシステムは、おそらく無意識的にそういう風になった方が、狩猟民族としては生活にとってプラスになったのだと思う。
でも、このシステムが常に人にとってプラスに働くというわけではないと思う。

例えば、買いたいモノがどうしてもあるけど、それがただの浪費でしかない場合、それを買わないようにするデメリット情報(反駁情報と呼ぶことにする)が、入ってこない限りは、一旦捕獲システムに入れたものを取り除くのは難しい。

反駁情報の他に、取り除かれる理由があるとすると、さらにそれよりメリットのあるものが出てきた場合(比較情報と呼ぶことにする)だ。

そして、忘れてはいけないのが、そもそも現状でそれが出来ない条件(お金の問題など)があれば、買うまでには至らない。(そこで、手に入れるまでに必要な条件を、条件情報と呼ぶことにする。)

整理すると、まず、ほしいスイッチが入ったものは、人間の捕獲システムに入れられる。

捕獲システムに入れられたものは、基本的には、条件情報が満たされればすぐに捕獲される。
しかし、例えば何か食品を買いたいけどダイエットしないといけないとか、そういった反駁情報があれば、捕獲システムからは取り除かれるケースもある。
さらに、例えば買いたい食品よりもっと美味しそうなものが同じ値段で売っているなどの比較情報があれば、元々あったものは捕獲システムからは取り除かれる。

この中で、条件情報と、比較情報については、通常はすぐに適用されるのだが、反駁情報は「人間の意思」と関連するので、例えばダイエットしないといけないという反駁情報があっても、今日はいいやなど、特に理由付けもなしで打ち捨てられてしまうことが多いと思う。このように、対象を捕獲システムから外すほどは強くない反駁情報を「弱い反駁」と呼ぶことにする。

すると、大半の反駁情報は実は弱い反駁ということになる。

例えば、お昼にダイエットで肉を食べるのを我慢しても、夜になると、その反駁情報が今度は効かないということだってある。(そういうときにお昼には効果があったので、一時的な反駁と呼ぶことにする)

すると、人間が凡そ、意志が弱いといって苦労している問題は、言い換えると捕獲システムに入った対象を取り除けるような強い反駁がないといっているのと同義である。

そこで考えたい能力は、捕獲システムに入ったものを特に反駁もなしに、もとにリセットできる能力(リセット能力)である。もっというと、実際には、また機会があればそれを捕獲システムに入れることができるような、完全にそれを棚上げにしておける能力(棚上げ力)である。

捕獲システムが強い原動力を人間に与えるのは確かだが、それに縛られないリセット能力もあると、総合的にみて、上手くいうケースがあがると思う。

じゃあそれってどうやってやるの?っていうと、正直あまりいい考えがないのだが。ひとつは、今まで書いたような前提を理解した上で、「これは今リセットしよう」「これは今棚上げしよう」というフラットな状態に戻しましたよ。という意思をその場その場で自己認識するのがいいと思う。

それで、フラットな状態に戻った自分を意識したうえで、じゃあ結局どうするのか?を他のすべてのものを視野にいれた状態で出来るようにすることが大事ではないか。

過去の経緯に縛られるのではなく、いつでもそこをスタート地点として捉えることができる能力があればいい。

つまり今まで必死に例えばピアノを弾いていた人間が、一秒後にはいきなり必死にバイオリンを弾き始めるような、傍から見ると関連性が不明(実際になくても構わない)な行動をいきなりとれるような人間が意思力のある人間(捕獲システムに縛られない)という風にいえるんじゃないだろうか。

おしまい。