fastapple's blog

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(日本語、中国語における) 「不要」と「不用」の使い分け

 

 ある時、日本語における「不要」、「不用」の使い分けがよく分からないなぁ。と思った事があり、いろいろ調べてみた。

 普段、文章を書くときに自分は、もっぱら「不要」の方を使っていて、「不用」を使うことはまず無かったが、ある時「不用品」という言葉が「不要」と書かれるより「不用」と書かれるケースの方が多いと気づいた。実際にgoogleで検索してみると、

「不用品」5290万件

「不要品」3190万件

となり(2012/2/19現在)、不用の方が多い。

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 ちなみに「不要」16億8000万件、「不用」1億1700万件であることからも、「不用品」のケースが例外的であることが分かる。(同じく2012/2/19現在)

 では、これらの使い分けはどのように起きているのかな。と思い、少し調べてみた。ネットで、日本語で「不要」「不用」をどう区別するか調べてみたが、あまり釈然とする記述が見つけられなかった。ほとんどの人はこれをあまり意識して区別していないので、特に区別する必要もないようにも思う。しかし、中には区別するという意見もあった。例えば、不要とは「必要がないこと」、不用とは「何かが使用されなくなったこと」「元々使わないこと」と言った具合に。中には、不用は不要の上位概念として存在するという意見もあった。

 さて、元々「不要」「不用」というのは中国語から輸入された言葉だが、中国語ではこれらは明確に区別されるものらしい。例えば、感謝の意を表すとき中国語では「谢谢(xièxiè)」と言うが、それに対する返事として「不用谢(bùyòngxìe)」(礼には及びませんのような意味)がある。これを不要谢(bùyàoxìe)とは言えない。不要谢を無理やり日本語にするとすれば、(感謝しないでください)となり、結構失礼なことを言ってしまっていることになる。つまり中国語において「不要」は、<あっては不都合なもの>であり、「不用」は、<(別にどちらでもいいが、)なくてもいいもの>という区分が存在する。

 これを先の基準にあてはめると、不用品という表現は、<なくてもいいもの>だから、しっくりくるかな。と思う。おそらく「不用」「不要」の区別をしている人の大半は、日本人でもこのような区別をしており、これが自然かなと思ったので、今後はこれを使おうかなと思う。まあ特に区別する必要がある場面でなければ、日本語としては「不要」を使っておけばいいんじゃないでしょうか。

(ちなみに不要の方が明治時代以降の新語であるとする文章もあった。どの段階で中国から輸入されてきたのかは、はっきりわからない。)

(特に二字以上の漢字の由来については、簡単に中国にあると断定しにくい。中国が逆輸入した漢字も多くあるため。)